ページトップへ戻る

子どもと大人のフィールド

戸川 幸一郎さん ご家族 

【家族構成】
本人(40代)、娘(9歳)
【移住暦】
7年目
【仕事】
島で芸術活動

母の一押し

呉市から移住してきた芸術家の戸川さん。その頃住んでいた家の湿気がひどくて、早く引越しをしたいと思っていたそうです。どこに引っ越すかと考えたときに候補に挙がったのが、釣り好きが高じて移住した両親が住んでいる江田島市。

「子ども向けの教室をしたかったのと、木彫りなど音が出る作業をするので、近くに民家があまりないような場所がいいなと思っていました。」

江田島市の空き家バンクに希望を伝えて相談すると、ほぼ条件に合う山手の物件を紹介してくれたそうです。

「即決という訳ではなく、少し悩んでいたのですが、江田島移住の先輩でもある母親が、すごくいい場所だね、と気に入った様子だったんです。そこで試しに値切ってみると、なんとすんなりOKがでました。値切ったからには決めるしかないじゃないですか(笑)」

景色を活かして建設中

戸川さんのご自宅は敷地が広く、子ども達が走り回ったり遊んだりするのにぴったり。母屋とアトリエと2つの建物があっても、まだまだスペースに余裕があります。

「本当の予定ではとっくにできているのですが(笑)仲間で集まって作っています。」

そう言って戸川さんが見せてくれたのが建設中の木工スペース。次のように構想を語ってくれました。

「子ども向けの教室のスペースが手狭になったので、木工スペースを建てようということになったんです。海が見える程度にフロアを高くして、屋根にも上がれるようにしようとしています。今はまだ展望デッキにしか見えないですけどね(笑)」

生活の変化

「移住してからの最初の4年間は、広島市内で芸術教室の講師を数件かかえていたので、ほとんど毎日1時間半かけて車で通勤していました。数年かけて仕事を減らして、ようやく江田島時間が増えました。」

徐々に島での時間を増やすように生活をシフトさせた戸川さん。島の暮らしで不便と感じる点は何ですかと聞いてみると、あっさりとしたお答えが返ってきました。

「まちから移住してきても特に不便は感じてませんね。道がちょっと狭いですね。それくらいかな。」

島での時間が増えたことで、日常生活にも変化が次々と。しっかりと楽しんでいるようです。

「敷地以外に仲間で『と独楽農園(とこまのうえん)』と名づけたを畑を整備して、野菜を作り始めました。シェア田んぼの仲間に入ってお米も作っています。近所の方からいただく野菜も含めると食費がぐんとかからなくなりました。」

『こども』がテーマ

大工のお兄さんに手伝ってもらって建てたアトリエには、戸川さんの作品がずらり。絵画だけでなく、版画、木彫り、陶器など、様々な種類の作品が並びます。

「作品のテーマは『こども』。創りたい、描きたいという気持ちが沸いてきて、楽しく制作できるんです。自分が楽しいことをするんです(笑)」

アトリエには、イベントに参加した子どもや大人の作品も所狭しと並べられています。みんなの「楽しい」が集まった温かい場所なんだなと感じました。

親しみをこめて『とこさん』

「江田島は子ども向けの教室を開きたくて選びました。教室と言っても”遊び塾”ですよ。」

そのほかにも、仲間と一緒に立ち上げた遊びと暮しが学びの『と独楽舎(とこましゃ)』では、子どもも大人も一緒になって、海で遊んだり、竹ですべり台を作ったり、魚を捌いてみたりと、様々な自然体験や田舎遊びをします。とにかくみんなでひたすら学びます。

「大人もやってみたいことを心行くまで楽しむ。子供もやりたいことをする。遊ぶことで様々なことに興味を持って欲しいですし、学んで欲しいと思います。」

友人やイベントに参加された方に『とこさん』と、親しみをもって呼ばれる戸川さん。江田島市に集まる仲間とさらなる学びを計画しているようです。

<2021年3月掲載>

能美町(中町)は住んでみてどんなところですか?

家の周辺には自然の遊び場がまだまだあるので、色々な『楽しい』を体験できる場所だと思います。

島の何が良いですか?

楽しい人がたくさんいる場所です(笑)