ページトップへ戻る

お気に入りの海

小林 富士雄さんご家族

【家族構成】
本人(50代)、妻(40代)、息子(8歳)
【移住暦】
3年目
【仕事】
夫婦ともに島で起業 

一目惚れした海

「アウトリガーカヌーって知ってますか?カヌー本体の横にアウトリガーと呼ばれる浮子(ウキ)が取り付けられたカヌーのことです。ハワイやタヒチをはじめ、オーストラリアやヨーロッパなど各地でアウトリガーカヌーのレースが行われています。」

このアウトリガーカヌーを江田島市の海に持ち込み、『モクプニパドリングクラブ』というクラブチームを立ち上げた小林さんにお話を伺ってきました。

小林さんはもともと海遊びから雪山まで自然体験に造詣が深く、東京から広島市に移住して、子ども向けの体験ツアーを企画運営する仕事をしていました。その頃にキャンプの体験場所を探しに訪れたのが江田島市との出会いだったそうです。

「海がきれいで一目惚れしました。瀬戸内海って赤潮があるって小学校で習っていたので、その話と目の前の海の美しさの違いに驚きましたね。それからは仕事やプライベートで何度も江田島を訪れるようになりました。」

そんな日々を過ごしていたとき、以前関東に住んでいた時に所属していたアウトリガーカヌークラブから、カヌーを譲ってもらえるという話が舞い込んできたそうです。

「瀬戸内の穏やかな海、島が多すぎず潮の流れも穏やか、白砂のビーチ、江田島の海はどれをとってもアウトリガーカヌーにとって最高のフィールドじゃん!と、即決でした(笑)」

すぐにアウトリガーカヌーを置ける場所を探し、クラブを立ち上げたのだそうです。アウトリガーカヌーやSUPで「島渡り」のアクティビティを提供し、今では5艇ものアウトリガーカヌーを所有するクラブになっています。

島での新生活へ

江田島市への移住は、クラブを立ち上げてから2年後のことになります。単身で犬を2匹引き連れての移住だったそうです。

「気に入った家を探すのに時間がかかったのと、私生活でも色々あってね。すぐに移住とはなりませんでした。海が気に入って来ているから、どうしても海と夕陽が見える家にしたかったんですよ。少し時間はかかったけど、沖美町に満足する家を見つけることができました。気長に付き合ってくれた不動産屋さんに感謝しています。」

島で新しい家族と

小林さんの住む沖美町は、夕日が美しいと評判のエリア。しかし、近所に飲食店や商店もほとんど無く、日が暮れると辺りは真っ暗というような環境。そんな中に独りで移住してきた当時は寂しかったのではと尋ねてみると、期待を裏切るお答えを頂きました。

「アウトリガーカヌーの体験などで忙しかったから寂しくなかったよ(笑)ヒロちゃん(奥様)も体験に来てくれてから付き合うようになったからね。」

そんなおのろけセリフが出てくる小林さんと奥様の距離を近づけたのは、アウトリガーカヌーと江田島という2つキーワード。奥様も次のように語っています。

「アウトリガーが楽しかったのと、産直市場が気に入ったので江田島へ来る回数が自然と増えました。」

こうして二人は小林さんの移住から1年後にあたる年に結婚。今は3人と2匹でにぎやかな生活を送っています。しかし、奥様も結婚して住むにあたって不安だったことが二つあったそうです。

「ひとつは虫。最初は虫が出るたびに、キャーキャー言ってましたけど、今はもう慣れました(笑)もうひとつは車生活。家に車が2台あったのですが、でかいワゴンのハイエースと軽トラ。買い物ひとつ行くのにも車が必要な場所だったので、慣れないマニュアルの軽トラか、狭い道を大きなハイエースで行くか悩みました。今はどっちの車でも、どこへでも行きますよ(笑)」

島の人達と

「都会と違うあったかさを感じる島ですね。人との距離感も程よいです。」

島での人間関係について小林さんは心地よく感じてる様子です。

「島にはお世話好きなおじさん、おばさんが多く、父や母のような温もりを感じて、頼っています。おかげ様で私たちは心豊かに安心して暮らせています。」

奥様も島の人たちの温かさに感謝していて、島の生活を満喫しているのが伺えます。

「もやしっ子が、男の子らしくなったよ。でも、放課後に子ども達だけで遊べないのが残念。近所に友達がいないからね。3年生にならないと自転車で遊びに行くことが禁止されているんです。」

小学校2年生になる息子さんに関して、冒険好きの小林さんらしい感想でしたが、海が苦手だった息子さんが、自ら好んで海について来るようになったことを喜んでいました。

何でも前向きに

いつも笑顔で元気いっぱいで、ヨガの講座を市民センターなどで開いたりと、島で活躍されている奥様。そんな奥様から、最後に江田島市への移住を考えている人達にメッセージを頂きました。

「私も不安なことや、嫌だなって思うこともあったけど、一般的にマイナスと思われることを前向きにとらえると日常が凄く楽しめますよ。虫が出たおかげで蚊帳(かや)体験ができたとかね。まずは元気に!美味しいものを食べて、楽しく過ごして欲しいです。」

<2021年1月掲載>

沖美町(是長)は住んでみてどんなところですか?

満足しています。2年もかけて選びましたからね(笑)周辺を見渡すと自然がいっぱいですから。海が見えて山がある。そんな地域ですね。ただ息子の友達が近所にいないので、小さいうちは少しかわいそうかな。もう少し大きくなると自転車に乗れるので、行動範囲も広がってくるんじゃないですかね。

江田島市に来て良かったなと思うことありますか?

毎日ですよ(笑)夕方4時頃キッチンに立つのが幸せなんです。丁度キッチンの窓から夕陽が見えるんです。そして家族に料理する。最高に幸せな時間を手に入れました。