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活躍できる場所を求めて

ブレンダン エドワーズさんご夫婦

【家族構成】
本人(40代)、妻(30代)
【移住暦】
6年目
【仕事】
本人/自宅でお店を経営、妻/広島市へフェリーで通勤 

ブレンダンが活躍できる場所

日本に来て6年目のブレンダンさんですが、日本語がまだ苦手ということで、奥様の貴子さんも交えていろいろなお話を聞いてきました。

「江田島へは、ブレンダンが活躍できる場所を探してやってきた感じです。」

二人の出会いは10年前にさかのぼります。貴子さんがカナダのソルトスプリングアイランドへ行った際、ダンスホールで声をかけてきたのがブレンダンさん。最初は面倒なアメリカ人だなあと思ったそうですが、オーガニック料理やメディカルハーブ、アースシップ(earth ship)というエコロジーハウスを探求していたブレンダンさんと興味が合い、親しくなったそうです。

「その後、日本に帰国して1年くらい経った時、日本に来ないかって誘ったら、本当に来てくれたんです。そしてたどり着いたのがここです(笑)」

空き家バンクを利用して

貴子さんがイメージしていたブレンダンさんの活躍できる場所は、自然豊かな環境で、本格的なエコロジーハウスとまでいかないまでも、リノベーションのしがいがある空き家のある場所。

「江田島市の空き家バンク担当の職員さんに紹介されたのが、普通の人には持て余すような大きなお屋敷。見事な梁(はり)の日本家屋で、菜園ができるほどのお庭もあり、一目で気に入りました。」

もともと空き家バンクでは賃貸物件としての登録だったのですが、市の担当の職員さんに購入したいと相談すると、家主さんにかけあってくれたそうです。そして、家主さんの厚意により、このお屋敷を手に入れることができました。

4年かけてDIY、カフェをオープン

ブレンダンさんは4年という長い時間をかけて、大きな屋敷を一人でセルフリノベーションしました。
そして、『Edwards Roastery Cafe』というガーデンスタイルのカフェをオープン。

「お店をオープンするまでの間は、平日はほとんど毎日DIY、週末には『Sunday Party』と名づけたコミュニティーパーティを開催して過ごしていました。」

島の様々な人たちと出会い、仲間をつくりながら、お店の形を創作していったそうです。

「ここは静かでとてもいい。知り合ったフレンドと、次の世代に手づくりの良さを伝えたい。」

まだまだ日本語はカタコトなブレンダンさんですが、作る料理は美味しいと島内でも評判です。
自家菜園で収穫したハーブを利用したパスタやピザ、島で獲れたイノシシ肉を使ったバーガー、桑のお茶、などなど、めずらしいメニューもたくさんあります。

「ここは自然がいっぱい。美味しいものいっぱい。」

外国人らしい大きなジェスチャーで、おどけて話してくれるブレンダンさんの笑顔で、島での暮らしを楽しんでることが伝わります。

平日の貴子さん

貴子さんは、週末はブレンダンさんのお店を手伝っていますが、平日は広島市内の児童クラブの指導員として働いています。

「広島港から歩いて行けるところなので、家から職場まで1時間くらいで通勤しています。車・船・歩き、すべてスムーズなので、みなさんが思っているより楽ですよ。」

平日の仕事に週末のカフェと働きづめの貴子さん。いつ休んでいるのだろうと心配にもなりますが、楽しそうに話す姿に充実した日々を過ごされていることが感じ取れます。ご夫婦ともに本当にパワフルです。

人気カフェになっても

週末の夜にミュージシャンを呼んでパーティーをするというので、遊びに行ってみました。
地元のおばあちゃんたちも参加していて、「ブレンダンさんが声かけてくれたんよ~」と嬉しそうに話す様子に、ご近所の人達にも好かれているのを実感しました。

「私はカーペンターね。また家作るよ。」

今では週末には多くの人が訪れる、島の人気カフェのひとつになった『Edwards Roastery Cafe』。
ですが、ブレンダンさんはエコロジーハウスの建築を実践したいらしく、まだまだDIYは続きそうです。

最後に島で不満なところを聞いてみると、ブレンダンさんから返ってきた答えがこれでした。

「悪いネコが多いよ(笑)」

<2021年1月掲載>

大柿町(深江)は住んでみてどんなところですか?

大柿町といっても、私達が住んでいるのは深江の大附という本当に町の端っこの集落なので、とても静かですよ。うちが一番うるさいかもしれないです。大柿町は買い物は便利でしょうと言われますが、ここは何もないです(笑)

地域の人とのかかわりはいかがですか?

近所はおじいさんやおばあさんしかいないので(笑)ブレンダンが外国人だからかもしれませんが、優しく色々教えてもらってます。若い人たちとのつながりは、コミュニティーパーティーで広がりました。もっと色々な人と出会って、時代の流れを見ながら生活スタイルを模索していきたいです。