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#じぶんと周りのひとを大事にする気持ちを育てる場所をつくる

THE プロジェクト古民家を改装したコミュニティスペース・オハナヴィレッジ

2022年3月に江田島市大柿町大原に、NPO法人ワン・シードの事務局としてオハナヴィレッジがつくられました。NPO法人ワン・シードは、教育に向けたマインドフルネスの紹介活動をベースに、江田島の環境を生かしながら手仕事や表現のイベント・ワークショップを開催するほか、外国の方の旅行者受け入れを行っています。
代表の菊田富さん・尾崎智子さんご夫妻にお話を伺ってきました。

▲NPO法人ワン・シード 代表 菊田 富さん、理事の尾崎 智子さん

旅のなかで出会った二人

富さん・智子さんはそれぞれ北海道と香川県の出身。東京でIT関係の仕事をしていた富さんは、あるとき仕事をやめて世界旅行へ!シベリアからヨーロッパ、北アフリカを旅し、イスタンブールからシルクロードを通ってインドまで旅をしたそう。旅好きがきっかけで出会った智子さんとご夫婦となり、それからもさまざまな場所を旅します。そのなかで、国際協力をすることも。
「いろんな国籍の方と働く経験が、いまWWOOFの受け入れをしていることにつながっているかもしれません。」

*WWOOF(ウーフ)とは
お金のやりとりなしで、「食事・宿泊場所」と「知識・経験」を交換するというもの。旅をした先で援農を行い、食事と宿を提供してもらうなど。

東京から広島に移り住んだふたり。富さんは広島市内で、手作り石鹸の店とカフェの経営、智子さんは、子ども英語の先生とアロマテラピーの講師をしながら、みんなが集まれる場所を作りたいと考えていた。

「東日本大震災のとき、菊田はちょうど東京にいたんです。なので、そのときは飛行機が飛ぶかどうかもわからなかったし、東京に友だちがいっぱいいたから、やっぱりすごいショックだったんです。それで、わたしたちも何かしたいと思って、NPO法人ワン・シードの立ち上げをすることに。自然との共生や、自分も他者も大事にする気持ちを育てる場所を作りたいと思って。」と、智子さん。
NPOの立ち上げ後はしばらく広島市内で活動をしていた。あるとき友人に会いにドイツに行き、自然ゆたかなドイツ北部の町に2週間滞在したことで「もっと自然が近い場所に住みたい」と強く思うようになった。帰国後すぐ、広島市でのお店の契約を解約し移住の準備を始めた。

まずはお家探しから

決めると早いふたり。広島市から1時間30分くらいまでで移動できる範囲で、お家の前に畑がある物件をさがしていたそう。色々探した結果、現在住んでいる江田島市沖美町のお家が見つかった。賃貸ですが、ご自身であちこち直して住んでいるとのこと。
「いろいろなお家を見たんだけど、ここが一番気に入ったんです。でも、じつはその前にもイベント講師で呼ばれて沖美町に来たことがあって。そのときは移住なんて思いもしなかったんだけど、不思議ですね笑」
それから、WWOOFの受け入れやワン・シードの活動はしばらく沖美町のお家で行っていたそう。古い家を快適に住めるように2か月ほどDIYをしてから越してきた。
来てみて本当によかったと話す富さん。生まれ育った北海道のように、自然が身近に感じられるのがうれしいとのこと。

▲家の前に畑がある。日本ミツバチや鶏を飼ったり、野菜を植えている。収穫したブラックベリーでジャムを作ることも。

オハナヴィレッジができるまで

▲土のオーブン。お菓子やピザを焼くことができる。

▲アースオーブンと廃材で作った屋根。

これまでオハナヴィレッジではさまざまなイベントを行ってきた。
例えば、デンマークで保育士をされている方が滞在したときには、どろんこ園の黒川さん(
#『どろんこ園』~里の幼稚園を目指して~プロジェクト記事参照)や、保育に携わる方を呼んで座談会を開いた。スウェーデンで医師として働く方が来たときには、福祉の先進国の地方での取り組みを知りたいというので、福祉に携わる方を招いて、高齢者のケアについてのお話をいただいた。

世界で有数のコンテンポラリーダンスのカンパニーに所属している方がWWOOFとして滞在したときには、ダンスイベントを開き、たくさんの参加者が集まったという。オランダから日本公演のため来日し、公演のあと田舎に来てみようと思って江田島を訪れたとのこと。イベントでは、2歳のお子さんから小学生たち、ご高齢の方までいっしょに踊った。ダンサーさんたちも、ダンスをやったことがない方に指導するのは初めてだったため、とてもよい出会いになったとみなさん喜んでいたそう。そのほかにも、野草の料理イベントや、お餅つきイベント、音楽会など、地域の方・広島市など市外の方が入り混じって参加されるという。

▲こどもたちとお餅つきイベント

これからやっていきたいこと

大原のオハナヴィレッジだけでなく、住んでいる沖美町でもコミュニティづくりに参加してゆきたいという富さんと智子さん。
「沖美町は、海に夕日が沈む美しいところです。移住者も増えているけど、やはりこどもの数は少なくなっていってるようで、以前沖美町にあった保育所、小学校も中学校も閉校になっています。私たちみたいに外からやって来た者にも、ここの人たちはとてもやさしいんです。だから、自然の中で子育てしたいと思っている若い人たちが、こんなところに住みたいなって思うような地域になればいいな、って思って。」
「昨年の12月にフウドで、みんなでクリスマス会をやりましたけど、あれもこどもたちが主役になればいいなという、みんなの気持ちがあったんです。」

(※フウド…沖美町にあるコミュニティスペース。移住相談窓口や、コワーキングスペース、もあり、地域交流拠点のひとつとなっている。)

今、沖美のみんなと、地元の方も江田島市外の方も、いろんな人たちが出会う場所となり、こどもからおとなまで楽しめるような、マルシェイベントを計画中だそう。

▲2024年のクリスマス会の様子。ランチの提供と音楽会、こどもたちが楽しめるワークショップの出店を一般社団法人フウドと地域の方の協力で行った。

「やっぱり人を招いてなにかするっていうのが好きなのかもしれません。オハナヴィレッジでときどき音楽会をやりますが、これはじつは平和の活動でもあって。」
NPO法人ワン・シードは、広島市主催の平和公園原爆ドーム対岸テラスの「水辺のコンサート」の運営団体のひとつとしても活動している。
「WWOOFで外国の方を招くなかで、やっぱりいろんな国の方とお話することがあるんです。そうなると、その国の事情ごとに考えることって全然違っていて、お話ししてわかりあうってことが大事だと。外に向けての平和活動っていうのはいっぱいあるけど、それだけでなくてわかりあうことや他者を大切にする気持ちを育てるのが、自分の中の平和を育てるってことだと思うんです。」